蕎麦屋にある特別な道具を紹介します!
蕎麦屋に無くてはならない道具の1つそば釜について。
そば釜は道具と言うより、設備と言えるかもしれません。
文字通りそばをゆでる釜の事です。
釜
水をためてバーナーで沸かしそばをゆでる為の釜です。
釜によって性能に差がありますが、
約30㍑の水がお湯になるまで15~20分で沸く能力があります。
その秘密は釜の裏にある羽です。
この羽が釜の表面積を増やしているので
効率良く熱を伝える事が出来るようになっています。
前銅壷(まえどうこ)
釜の周りは釜を囲うように水が溜められるようになっています。
釜を使用しているうちに回りに溜めておいた水もお湯になり
色々使う事が出来ます。
私の店では1回1回かけ汁を鍋に取り
火にかけるので使っていませんが
通常はこの穴に汁を入れたタンクをはめて
湯煎するのに使います。
また温かい蕎麦の器を温めたり
釜のお湯を足したり、お酒をお燗するお湯として
使ったりします。
バーナー
種火用の小さな火口の他に強力なガスバーナーが
3つ装備されています。
コックをひねる事で種火から着火して釜を熱します。
バーナーの火は釜の手前側に当たるようになっていて
釜の中のお湯がグルグルと対流するようになっています。
これにより蕎麦を効率良く茹でられたり
お湯があふれ出ないように考えられています。
お湯の温度は完全に沸ききると100℃ほどになります。
美味しくゆでる為にも1度に沢山ゆでる為にも
このお湯の量とバーナーの火力は絶対必要です。
1度にゆでる事の出来る蕎麦の量は
釜の大きさにもよりますが、
私の店で1度にゆでるのは4~6人分の
蕎麦までにしています。
1度にゆでる蕎麦の量が多すぎると必要以上に
釜の湯の温度がさがってしまって
蕎麦を美味しくゆでる事が出来ないからです。
釜前仕事
蕎麦をゆでる事を釜前仕事と言います。
どのお店にもこの釜前仕事を主に行う職人さんを
置いていると思います。
私の店では叔母がその担当になります。
蕎麦のゆで加減についてでも書きましたが
最高の材料を使って
最高の蕎麦打ち職人が打っても
最後の茹でを失敗したら不味い蕎麦になります。
最後の最後で失敗したら不味い蕎麦になってしまうので
責任は重大です。
蕎麦は温度の低いお湯でゆでると美味しくありません。
まわりが変に粘ついたり芯が残ったりします。
ですので、高い温度のお湯で出来るだけ早く
茹で上げる事が出来ないといけません。
そういった意味でもまた1度に沢山の量をゆでる為にも
蕎麦屋にそば釜は絶対必要な物です。
普通は厨房に入ってそば釜を見たり触ったり
することはまず無いと思いますが
夏は灼熱の釜の前でただ美味しい蕎麦をゆでる。
そんな釜前仕事をする職人さんがいる事も
知って頂けたらと思います!
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