蕎麦屋さんによって、手打ち蕎麦とうたっているお店と
手作り蕎麦とうたっているお店があると思います。
手打ち蕎麦と手作り蕎麦は何が違うのでしょうか?
手打ち蕎麦は水とそば粉を混ぜる所から
薄く延ばして切るまで、全て職人が手で作ります。
手作り蕎麦は職人が自分で作っているんですが、
手で作るわけではありません。
機械を使って自家製麺しているのを手作りと表しているんです。
蕎麦を作る機械で良く使われているのは2種類で
ロール製麺機と手打ち風蕎麦打ち機です。
ミキサーという機械でそば粉と水を混ぜ合わしたあと
機械で伸ばして切る。という流れになります。
ロール製麺機は戦後から多く使われるようになった機械で
2つのローラーがグルグルしている間に
ミキサーで混ぜたそば粉を通し板状にします。
板状になったものを棒に巻き取り
ローラーの隙間を狭くして再び間を通すことで
薄くしていきます。
大量に作るのには適していますが、水を多く加えられず
硬めに仕上がる場合が多いです。
手打ち風の製麺機もグルグルと機械を通して薄く仕上げます。
製麺のロールに布の様なものが使われているため
キッチリ同じ厚さにならない為手打ち風の蕎麦が
出来上がります。
ロール製麺機に比べると少量しか作れませんが
手打ちそばよりはかなり早く楽に作る事が出来ます。
今はそば粉も美味しいものが増えているので
下手な手打蕎麦よりは手打ち蕎麦風のほうが
美味しい事もあります。
うどんの丸亀製麺さんは手打ち風の機械を使っています。
ではなぜ、手間が掛かり効率の悪い手打ち蕎麦を
打つ店があるのでしょうか?
蕎麦屋さんは毎日毎日同じ蕎麦を打とうと試行錯誤しています。
しかし、待ったく同じ蕎麦を打つことは不可能です。
なぜなら、同じ条件で蕎麦を打てる事が無いからです。
そば粉は日によって含んだ水分が違いますし
そば粉をキッチリ計ってもピッタリ同じにはならないし
混ぜる水も完全に同じではありません。
そしてかならず毎日違うのは気温と湿度です。
そんな条件の違う毎日の中で
昨日と全く同じ蕎麦を打つのは機械では難しいです。
そうなると、手打ちで毎日細かい微調節をしながら
打つのがもっとも現実的という事になるのでしょう。
同じ様に作ろうとしてもどうしても出てしまう
一種のムラが逆に手打ちの良さかもしれませんね。
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