蕎麦切りについて書いたので
ここでは原料のそばについて書きます。
そばはタデ科の植物で高所に生息します。
栄養の少ない土地でも育つと言われていますが
それは昔の話で、
現在ではしっかりと養分を与えないと
良いそばは育たないようです。
昔の土と今の土では元々の養分が
違うそうなんです。
蕎麦の持つ栄養分として有名なのはルチンです。
坑酸化作用のあるポリフェノールの一種です。
紫外線を防ぐ作用があるので、紫外線の強い場所で
栽培された物ほどルチンを多く含むようです。
高所で栽培されれば、低地よりもルチンの量は多くなります。
良質なたんぱく質も含んでいます。
アミノ酸スコアも92と、とても高くビタミンも豊富です。
つまり栄養分やビタミンのバランスも良く健康に良いです。
普段我々が食べている蕎麦は花が白く、黒い実を付けます。
主な品種はきたわせや常陸秋蕎麦。
その他には蕎麦茶などに使う韃靼蕎麦、
赤い花をつける高嶺ルビー等の品種があります。
黒い実の皮を取るとその直ぐ下には甘皮があり
薄緑色や薄茶色をしています。
この黒い皮を取り除いたものを抜きと言い、
石臼自家製粉の店ではこの状態でそば粉屋さんから仕入れ
粉にすることが多いです。
そばの生産量が多い産地は、北海道、茨城、長野、山形の順で
日本の寒い地方で生産量が多いです。
最近では在来種といい
古くからある品種に注目が集まっています。
理由としては小粒の物が多く、味が濃いこと、
希少性が高い事、等があげられると思います。
粒が小さいと甘皮部分の割合が上がるので
味や風味、香りが強くなるのだと思いますが
粒が小さく、甘皮が多い分石臼で挽くのに
2倍位の時間がかかるため1部のお蕎麦屋さんでしか
食べる事は出来ません。
蕎麦の甘さなど味を引き出すため
手を加えられることもあります。
手を加えると言っても加工する訳では無いです。
山形地方の話ですが寒ざらし蕎麦と言って、
冷たい川の中に蕎麦をさらす事で
蕎麦のうまみが増すと言われています。
保管方法の研究がすすみ黒い皮のついた蕎麦、
玄蕎麦を保管するのに0℃で保管すると
数年間良い状態で保管出来る事が分かったそうです。
さらに、皮をむいた抜きを真空パックして保管すると
甘皮の色が新蕎麦の様な薄緑色に戻ることも
確認されているようです。
そば粉屋さんは色々研究し良い状態で
より長く蕎麦を保管しようと努力しています。
そのお掛けで我々は昔とは違い
ほとんど1年中色の良い、
味と香りも良い蕎麦を扱えます。
美味しい蕎麦の裏方に努力を続けている
そば粉屋さんの存在も忘れてはいけません!
そば粉屋さんの中には工場見学や
そば粉の通信販売をしている所もありますので
参考にして頂けたらと思います。
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