石臼とは、溝を掘った丸い石が重なったものです。
上下に重ねた石をすり合わせそこに
そばや小麦などを入れて粉にするための道具です。
石臼には電動で回転するものと
手で回すものとあり手で粉を挽く事を
『手挽き』と言います。
『手挽き』でそば粉にしようと思うと
かなりの手間が必要です。
1時間ただひたすら石臼を回して
やっと1kg程のそば粉になります。
電動石臼なら黒い皮を取り除いたそばの実
「抜き」をセットしておけば、自動で抜きを投入し
1時間で1.5kgほど、そば粉にしてくれます。
高速回転するローラーで粉を挽くロール挽きなら
もっと早く多くのそば粉を挽く事ができます。
石をすり合わせて粉を挽く石臼挽きにする利点は
どんなことでしょうか。
ひとつは、そばにかかるストレスです。
ストレスが多いとそばは
製粉しただけで劣化してしまいます。
ストレスが少ないのは
製粉時に味が落ちるのを防いでくれます。
石臼での製粉も
石を重ねてすり合わせるので、石の重み、
回転する摩擦などのストレスがかかります。
しかし、回転数が早く無いので
高温になることが無く、そばに
熱によるストレスを与える事がありません。
摩擦のストレス、熱のストレスが
かからないわけではありませんが
ロール挽きに比べると圧倒的に少ないです。
ふたつめは出来上がったそば粉の粗さです。
石臼で製粉されたそば粉を見ると
粒子のそろった粉のように見えます。
しかし、ロール挽きのそば粉に比べると
粒子がばらばらで大小の粒が適度に
混ざり合っているのが分かります。
この粒子の不揃いさが蕎麦になった時
味の違いとなってきます。
粒子のそろった粉は滑らかで
つながりやすいです。
つながりやすいので水も少なくてすみます。
対して粒子の不揃いな粉は
一見滑らかですが、出来上がると表面に
適度な粗さが出来ます。
これが蕎麦特有の舌触りだったり
食べたときの清涼感だったりするようです。
水もほんの少し多く使います。
加える水の量は出来上がりの蕎麦に
大きな影響を与えます。
水が少ないと、もしくは少なくてすむと
どうしても固めの蕎麦になります。
硬い蕎麦は美味しくないです。
適度な弾力と粘り感もあって蕎麦は
美味しいのです。
つまり、石臼で挽いた粉は使う直前に
挽く事が出来る為、鮮度が高い事。
そばへのストレスが少なく粉に出来る事。
粒子が不揃いになるので、蕎麦が
適度な弾力と柔かさをもったものになる事。
これらの事から省スペースで済む
電動石臼挽きが普及してきていて
美味しい蕎麦屋さんが増えてきているんですね!
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