蕎麦屋の良いところ。や蕎麦と日本酒でも書きましたが
蕎麦屋に来たら
日本酒で一杯は江戸時代からのものです。
蕎麦屋は蕎麦を売るのが本業です。
お酒は2番目なので居酒屋さんのように
お酒で儲けることをそれほど考えていなかったようで
蕎麦屋に置いてある酒は上等品
蕎麦屋の酒は美味い。
というのが一般的な考え方だったようです。
庶民にてとっては安く良い酒が飲める場所
だったわけですね。
お酒は2番目、的な考え方の
蕎麦屋さんでしたが、
お酒を飲むお客さんも来るので酒肴も
用意してありました。
品書きにはあったのですが
やはり本業の蕎麦には影響が無いように
簡単なものが多くサッと出せる事が大切でした。
古くからある代表的な酒肴としては
板わさ、焼き海苔、わさび芋、玉子焼き
焼き鳥、柱わさび等があります。
これらを酒肴として置いているのは
普段から使っている食材、
のり、かまぼこ、鶏肉、山芋、玉子等で
作れるからです。
板わさはかまぼこをわさび醤油でつまむ物です。
わさび芋はとろろに使う擦った山芋に海苔とわさび醤油で。
玉子焼きは蕎麦屋のうり「だし」をたっぷり含ませたもの。
柱わさびはあられ蕎麦に使う貝柱を。
と普段の食材に山葵と出汁を合わせて
本業の負担にならない程度の手間で
サッと手軽に出せる酒肴ばかりです。
普段の食材を酒肴にする。と言うことでは
「抜き」も古くからあります。
「抜き」とは天抜きの事を言います。
天抜きとは天ぷら蕎麦の蕎麦抜きのことで
蕎麦抜きなので「抜き」と呼びます。
「抜き」は蕎麦抜きの事なので天ぷら蕎麦以外の
品書きも抜きと言いますが
昔は「抜き」と言うと天抜きの事を言ったそうです。
他の抜きと言うと
鴨南蛮の抜き、鴨抜き。
おかめ蕎麦の抜き、おかめぬき。等
種物の抜きはほとんど酒肴になるので
蕎麦屋は酒肴には事欠かないようです。
現代の蕎麦屋さんは古くからある酒肴を
扱うお店もありますし、中には
料理屋さん顔負けの一品を出すお店もあります。
伝統を引き継ぎながら新しい事を取り入れて
お蕎麦屋さんも日々進歩しています。
熱心な店主さんのいるお店ならな
美味しい酒肴と美味しいお酒、そして
美味しいお蕎麦を楽しむ事が出来ると思いますよ!
この記事へのコメントはありません。